小林素顔

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小林素顔
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【大切なお知らせ】小林素顔はこの度、こちらの本垢を18歳未満フォローお断りとさせていただくことになりました。現在、私のほうでフォローしているアカウントでも18歳未満だと「思われる」アカウントに関しては順次フォロー解除・フォロワー解除させていただきますのでご了承ください。 著作物無断転載禁止 Misskey.ioのタイムラインに長文ノート小説を垂れ流すことに依存している。筆記体を習った世代。 小説は子供のころから書いていたが身にならず。現代詩誌に少し前まで投稿していた。 ミリタリーは陸空をかじった程度。柔術を白帯で辞める。 落語が好きというより立川談志好き。 まれにお絵描き。 IDOLM@STERの秋月律子に一時期熱狂していた。 昔はスピッツばかり聴いてた。最近はサカナクションと米津玄師をリピート。
#リアクションシューティングガール #フェディバーシティ・コネクション $[font.serif 寒い夜に、身を寄せ合う仲間がいること]
今季随一の寒気団が押し寄せて、Misskey.ioのサーバーの街にも冬の一層冷え込んだ空気が吹き荒んだ。ローカルタイムラインの表通りを飛び交うリアクションも、抱きしめ合ったりお茶を差し出すカスタム絵文字が増えて、車道を駆けていくノート投稿のホログラムには鍋料理の飯テロ画像が押し寄せていた。  そんな表通りを横目に、3人の少女が夕方の路地裏に入っていく。裏道を入った先にあるカラオケボックスは、.ioの歌好きだけにとどまらず「安価に借りれる個室」として多くの人が「逃げ込む」場所だった。  ビッグスクリーンの部屋を案内された3人の少女たちは、寒さにかじかむ体をさすりながら、エレベーターを降りて突き当たりの部屋に入ると、手荷物をソファの上に放った。 「寒ーい! ボンちゃん脚寒くないの?」  ピンク髪にツインテールの「雑賀朔」──通称「リアクションシューティングガール」──がエアコンのリモコンをつかむ。 「めちゃくちゃ寒い。でもオシャレは我慢だし」  ボンちゃん、と呼ばれた銀髪に褐色肌の「凡百」──「エモジクッキングガール」とも呼ばれるMFMアーティスト──はそう答えて、絵文字のパターンが散りばめられたイエローが鮮やかなポンチョを脱いでソファに畳んで置いた。  雑賀朔が部屋の温度を上げながらファーコートをハンガーにかけて地雷系の装いを見せ、凡百がポンチョに合わせたデザインの絵文字だらけのアグリーセーター姿になるのを眺めながら、既にインバネスコートを脱いでツイードのワンピース姿になった「ツキレイ」──アカウント名「月が綺麗と言え」、またの名を「リプライシャウトガール」──が内線の受話器に手をかけて、二人に訊く。 「なに歌う? てかまずあったかいドリンク頼む?」 「わたしホットコーヒー」  雑賀朔が言って、凡百が続く。 「あ、ホットココアで」  二人の返事にうなずいた後、ツキレイは受話器を取ってフロントに言った。 「すいません、コーヒーとココアとダージリン、ぜんぶホットで一つずつお願いします」  注文が済んで、ツキレイは既にソファでまったりしている雑賀朔と凡百の並びに座った。  テーブルに対してずいぶん広い部屋は明らかに3人では持て余す広さだった。大型スクリーンではMisskeyのAI看板娘「藍ちゃん」が映し出され、アイドル衣装で手を振りながら「皆さんこんにちは!」と満面の笑顔で新しい楽曲の紹介を始める。 「なんか、歌う?」  そう言いながら、ツキレイはソファに据えてあったにゃんぷっぷー型のクッションを抱き寄せる。 「歌もいいんだけど」  雑賀朔は首を傾げながら言うと、凡百に向き直って訊く。 「ぎゅってしてい?」  雑賀朔の真っ直ぐな眼差しを受けて、凡百は柔らかく微笑む。 「どうぞどうぞ」  凡百が両腕を開いて胸を張ってみせると、ツキレイもぐっと二人に体を寄せて言う。 「あ、ずるい、わたしも」 「みんなでみんなで」  凡百はそう応えて、雑賀朔とツキレイを二人とも抱き寄せた。  三人とも冷たい頬を合わせて、ゆっくりと打ち寄せる互いの呼吸を耳元で感じとる。目をつぶって不揃いな鼓動を数えていると、体の芯から温かな血が新しく湧き出てくるような気さえする。それは確かに存在する記憶、互いが互いの体温と心音とで、懐かしい赤ん坊の頃の心地を思い出しているのだった。 「この前さ、リアクション誤射しちゃってさ、ちょっとへこんでたんだ」  三人でまとまるように抱き合ったまま、雑賀朔が小声で呟く。 「あるある、よくあるじゃん」  凡百が頬寄せたまま首を振り、雑賀朔もうなずく。 「うん」  するとツキレイが、引き寄せるように二人に顔を埋めて、言う。 「わたしもね、この前すきな絵師さんにリプライ送ったら、ちょっとぎこちない感じになっちゃった」 「でもブロミュされたわけじゃないんでしょ?」  凡百がそう訊くと、やはりツキレイもすがるようにうなずく。 「うん」  そうしてしばらく三人で抱き合ったまま、大型スクリーンでは餅付ぬるぽの新曲のPVが流れて、エアコンがようやく暖かい風を吐き始めたころ、雑賀朔が言った。 「いつもボンちゃんに受け止めてもらってばっかりだね。なんか、聞くよたまには。ボンちゃんの、悩み? 弱音? とか」 「そうだよ、遠慮なく言って」  ツキレイがそう続くと、凡百は唇をすぼめて、言う。 「そうだねえ」  一呼吸のあと、凡百は二人をしっかりと抱き寄せたまま続けた。 「クラスの好きな男の子が色白の女の子が好きらしくて。結構泣いちゃったんだ、昨日」  その言葉に、雑賀朔もツキレイはしばらく黙ってから、凡百の手のひらや頬や首筋の、褐色の肌を撫でてみせた。二人の手の慈悲を受け止めて、凡百はすこし、震えた。 「わたしは好きだよ」  雑賀朔の言葉に、ツキレイも唇を震わせて言う。 「わたしも好き」  凡百は黙ってうなずいたあと、頬を撫ぜる二人の手に自分の手を添えて握った。 「あったかい、朔ちゃんもツキレイちゃんもあったかくて、優しい」  その言葉に、雑賀朔もツキレイも微笑んで、凡百の頬を揉みはじめる。 「ボンちゃんもちもち」 「もちもち、きもちいいね」  二人のおふざけに凡百は笑って応える。 「もう、大好きになっちゃうよ」 「いいじゃん、大好きになっちゃえよ」  雑賀朔に言われて、凡百が潤んだ瞳で返す。 「もうなってる、いまなった──キスしてい?」  その問いに面食らいながらも、雑賀朔は微笑みを崩さない。 「え? ……んー、どうなっちゃうのかな」  そこにツキレイが入って言う。 「わたしもしたいよ、みんなでしようよ」  そして、3人して人生みたいな真剣な沈黙に包まれ、夢の中のように時間の感覚が狂い、三つの唇が作る三角形が徐々に小さく、近づいて行って──  コンコンコン! とドアがノックされた途端に、3人は素早く離れてソファに並んで座り、姿勢を正した。 「失礼しまーすお飲み物お持ちしましたー終了10分前にまた内線でお電話しまーす」  部屋に入ってきたカラオケボックスの店員はドリンクをトレーからテーブルに置いた後、3人に見向きもしないで部屋を去った。  スクリーンに流れる餅付ぬるぽのPVが終わって、再び藍ちゃんのトークが始まったところで、3人は誰からともなく爆笑して、ドリンクを手に取った。 「よしじゃあまず乾杯しよ!」 「だね! 私の失恋記念だね!」 「違うよ、新しい恋のスタートを記念してだよ!」  雑賀朔が、凡百が、ツキレイがそれぞれに声を張って、3人の手にしたカップが軽快な音で鳴りあったのだった。 「カンパーイ!」  Misskey.ioの街の夜が更けていくとともに、ローカルタイムラインの表通りを駆けていく風はいっそう冷えていき、夜の碧色が重苦しい曇り空から、いまにも雪さえ降りそうで──それでも、Misskeyにいる人々には魂の体温を確かめ合う仲間がいる。そうやってまた、今年も来年も次の冬も、ミス廃たちは手を取り合っていくのだった。 #MisskeyWorld
#リアクションシューティングガール $[font.serif どうすればいい? 憧れの人が.ioを去ろうとしている]
ツキレイ──アカウント名を「月が綺麗と言え」と名乗っているひと──が人前で涙を流すのを、雑賀朔は初めて目の当たりにしたのだった。  週末の夜、Misskey.ioのローカルタイムラインの表通りに面したカフェテラスは、屋外のテラス席も店内のボックス席も、沢山のミスキストで騒がしい。雑賀朔が座るボックス席にはツキレイの他にも凡百ちゃん──持ち歩くハンドミキサーとボウルでMFMアートを「料理する」ひと──も座っている。  人目も憚らずツキレイが泣くのに訳があるのは明らかだった。雑賀朔はたまらずに訊く。 「ツキレイちゃん大丈夫?」 「……ゴールデンどんぐり先生が、SNSも漫画辞めちゃうって」  ツキレイがしゃくりあげながら流す涙を、向かいに座る凡百が手を伸ばしてハンカチでそっと拭いながら、訊く。 「お笑い芸人さんのファンアート描いてるひとだっけ?」  ツキレイは息を飲み込むようにすすり上げて、答える。 「前から引退したいみたいなこと書き込んでたけど、ひょっとしたらもう引き留められないかもしれなくって」 「かなり難しいの?」  凡百の問いに、ツキレイは固まってしまう。その姿に雑賀朔は、Misskey.ioで、Fediverseで、 様々なSNSで何度も見てきた悲しみが、ツキレイにもやってきたのだと知った。 「──なら、最後にもう一回、心を込めて引き留めてみたら? どっちに転んでも良いと思って」  真っ直ぐ見据えて雑賀朔が言うと、ツキレイは唇を噛みながら返す。 「どうやって? もしかしたら全部の言葉が嫌になってるかもしれないのに?」  ツキレイはテーブルのペーパーナプキンで目元のメイクを拭きながら俯いてしまう。凡百も眉根を寄せて黙ってしまう。雑賀朔は思わず腕組みし、しばらく窓の外のローカルタイムラインの表通りを眺めながら、頭を巡らせる。  ひらめきの精度は必要な時のために重ねた無駄の数による──雑賀朔はスマホで画像検索をしたあと、凡百に画面を見せながら訊いた。 「ボンちゃん、『ボウガン』ってMFMアートで作れる?」  雑賀朔が訊くと、凡百はスマホの画面をスワイプしながら数々のボウガンを閲覧したあと、顔を上げて言った。 「うん、できると思う」  雑賀朔はツキレイに向き直って言う。 「ツキレイちゃん、心を込めて精いっぱいのリプを『ボウガンの矢の形』にできる?」  雑賀朔に見せられたスマホの画面を、ツキレイは眉尻の下がった顔でしばらく見つめた後、こくん、とうなずいた。  しっかりと目線を合わせてうなずきあったあと、三人はカフェテラスの屋外に出た。凡百が、肩から紐で下げていた持ち手のついたボウルを地面に置くと、両手を揉み始める。すると手のひらから沢山の図形の絵文字や、括弧や記号などが「具現化」して、ボウルの中に落ちていく。そのボウルに、凡百がもう片方の肩にかけていたハンドミキサーを突っ込んで、轟音と共にボウルの中身を撹拌しはじめた。  ボウルの中身がメレンゲのように盛り上がったあと、MFMアートの「蛹」は徐々に収縮していき、三人の目の前で美しく仕上がった「リプライの矢のためのボウガン」になった。それを目の前にして、ツキレイは深く頷き、常に持ち歩いているハンディ拡声器を眼前に掲げ、深呼吸、そして、声を張り上げる。 「「「ゴールデンどんぐり先生えええぇぇぇぇぇぇ!!!!!! あなたのファンはあなたの作品も、お笑い評も、人間性も、大好きです! アンチに否定される筋合いなんてなんにもないです! あなたの描いた真空ジェシカの漫画、大好きでええええぇぇぇぇぇす!!!!!!」」」  拡声器のコーンの広がった先から、ツキレイが叫んだ言葉がブロックのように具現化する。その言葉のブロックはツキレイの眼前の空中で捻れるように高速回転すると、 徐々に凝縮していき、一本の「リプライの矢」になる。  凡百がボウガンを、ツキレイがリプライの矢を、雑賀朔に渡す。雑賀朔はボウガンに矢をつがえて、空に向かって狙いをつける。照準の真ん中には、Misskey.ioのサーバーの街に広がる濃い碧色の夜空で輝く、エメラルドの月。  雑賀朔は迷いなく、ボウガンの引き金を引いた。弓と弦が震えて、空を切って放たれたリプライの矢は、エメラルドの月に向かって飛んでいく。  リプライの言葉を具現化して相手に放つことができる「リプライ・シャウト・ガール」ツキレイと、MFMアートでスイーツから兵器まで具現化することができる「エモジ・クッキング・ガール」凡百と、カスタム絵文字の弾丸を放つ銃でリアクションの狙撃ができる「リアクション・シューティング・ガール」雑賀朔。この三人の力が合わさって放たれた「言の葉の矢」が放物線を描き、Misskey.ioのサーバーの街に煌々と照るエメラルドの月の光を掬って、地上の「ゴールデンどんぐり」へと真っ直ぐに飛んでいくのだった。 「あそこだ」  .ioのサーバーの街に並ぶビル群の向こうに、エメラルドの月の光を引いた矢の軌道が輝く。光を追って雑賀朔たちが落下地点へと向かうと、金髪のマッシュルームカットの女性が、Misskeyお笑い部のチャンネルタイムラインの路地裏で、グリーンの光を胸に抱きながら膝をついていた。 「先生!」  三人のなかからツキレイが駆け出して声をかけると、マッシュの女性は驚いた表情でツキレイを見上げる。 「……月が綺麗と言え、さん?」 「ゴールデンどんぐり先生、.ioでも、にじみすでも、Fedibirdでもいいんで、もう漫画書かなくてもいいんで、お願いです、みんなのそばに居てくださいませんか」  目元を潤ませながら言うツキレイに、ゴールデンどんぐりはいまにも泣き出しそうな微笑を湛える。 「ありがとう、そうなんだね、ごめんなさい。そんなに月が綺麗と言えさんやフォロワーさんに心配かけてたなんて知らずに、メンヘラ爆発させてしまって」  ゆっくりと立ち上がったゴールデンどんぐりを、ツキレイがしっかりと抱きしめて、二人が固く抱擁するのを、雑賀朔と凡百は安堵した笑顔で見守っていた。  Misskey.ioのサーバーの街には今日も寂しい人がいて、それを救うリアクションやリプライや、ファンアートやMFMアートがやり取りされているだろう。それはMisskeyサーバーという「街」で心の傷を庇い合う電子の抱擁、あなたが手を伸ばせば、きっと差し伸べられる愛だから。 #リアクションシューティングガール #フェディバーシティ・コネクション #MisskeyWorld
自創作「リアクションシューティングガール」のうちの子たち「#リアクションシューティングガール」こと「#雑賀朔」ちゃん 、「#リプライシャウトガール」こと「月が綺麗と言え」略して「#ツキレイ」ちゃん、「#エモジクッキングガール 」こと「#凡百ちゃん 」の三人の自撮りを描きました image