:hyuki: 作業を行う上での苦労の話/仮想的な役割の切り替えの話 作業をする上での「苦労」について時々考えます。何か大きな仕事をしようとすると、作業をする上での苦労はつきものになります。長い時間がかかるとか、難しい問題を解かなければいけないとか、間違わないように何回もチェックするとか、そういった作業に対して「大変だ」と感じる気持ちが苦労ということでしょう。 ここで勘違いがよく起きます。苦労することは仕事の進捗に必要であるという勘違いです。 何か成果物を作るために苦労するのはよくあることですけれど、苦労をするのはそのプロセスで起きることに過ぎなくて、苦労をすることが目的になってはいけないという当たり前のことです。 苦労をいとわずに作業に取り組むことは大切ですけれど、わざわざ苦労を飛び込む必要はありません。言い換えるならば、成果物に見合った苦労をちゃんと見極めることが必要だと言えるでしょうか。 よくある勘違いではありますけれど、この見極めが難しいのも確かです。 いつも苦労を避けてばかりでは得られない成果物があるのが確かです。でもいつもこの苦労をするのだから、毎回そこを通ることが当たり前になってしまうのも困りものです。当たり前になってしまうと、作業の改善という発想はなくなってしまうからです。 何十年仕事をしてきても、この見極めは難しいと思います。 苦労をしている自分や、長い時間作業をしている自分に酔ってしまうのは困りものですけれど、そうやって気持ちの演出をすることで、モチベーションが保てる場合があるのもこれまた確かなことです。難しいですね。人間はめんどくさいものですね。 ですから、そこでも、気持ちをうまく切り替えることが大切になってくるのでしょう。気持ちを切り替えるというのは、仮想的な役割の切り替えと言い換えることができます。 作業している自分と、作業をしている自分を管理している自分。作業をしている自分と、作業とは関係ないけれど、自分を励ましている自分。1人で作業をする上では、こういった、仮想的な役割の切り替えが大切になってきます。 食事を取ったり、人と話したり、睡眠を取ったり、遊びに出かけたり、運動したい。このような様々なアクティビティーとうまく組み合わせて役割の切り替えをスムーズに行いたいところですね。 コンピューターやスマートフォンなどのIT機器を活用することで、この切り替えを1人でもうまくできる場合があります。私のよく使うのはアラームやタイマーですね。 お昼寝をするときに、20分位のタイマーをかけて眠ります。眠っている自分が自分を起こすことができませんので、IT機器の助けを借りて目を覚ますわけです。これは最も素朴な例になります。 もちろんリマインダーもそうです。忘れてはいけないイベントや、人と話をする約束などを忘れないようにするためにIT機器が助けてくれます。 企画を行うときに、スクリプト(台本)を作っておくことがありますが、そういうのも自分をヘルプしてくれる役割を果たしますね。大事なのは、その企画を行うときに、適切なタイミングで台本の存在を思い出すことです。せっかく台本を作ったのに、実施するときに、存在を忘れていたり、存在は覚えているんだけど、探しものに時間を使っていてはもったいありません。
やっぱりマストドンはおひとりさまサーバが気楽でいいのかも。人にもよるけど。「サーバにいる他の人の巻き添えを食う」のが嫌な人は。
:hyuki: 作業の管理と、文章作成におけるグッドプラクティスの意味 作業の管理は難しいとよく思います。時間の管理が難しいですね。でも実際に管理しているのは時間ではなくて、自分の気持ちのような気もします。 よくあるのは、まとまった時間を確保して作業する状況です。時間がなければ作業ができないので、時間を確保するというのは大事なことですけれど、まとまった時間が確保できれば良いかというとそうもいきません。続けて同じ作業をすると飽きたり疲れたりするからです。また、何かにつっかかったときに長い時間を1つのトラブルで消費してしまうときの気持ちのダメージはむしろ大きくなります。 まとまった時間を確保した上で、意識的に細かく休憩を入れたり、複数の作業を組み合わせたりするというのができれば理想ですね。 でもなかなかそれは難しい話です。そもそも、今取り掛かっている作業が、どれだけの時間がかかれば終了するのかというのを見積もること自体難しいからです。 そうすると、何が起きるかというと、今やっている作業が1段落するまで続けるべきか、それとも時間が来たらば、その時点でバッサリと中断するのがいいかという問題になります。 これまたどちらが良いとは一概に言えません。場合によって違うからです。その都度判断する必要が出てきますね。 こうすれば絶対に良いというパターンはなかなかないのですが、比較的良い結果を生むパターンというのはいくつもあります。 「とにかく着手する」というのは悪くありません。あまり事前に考えすぎずに、まずはとにかく着手するのはグッドプラクティスですね。最近、私は「つべこべ言わずにファイルを開く」を心がけています。 「全体が固まらないときには、頭から固めていく」というのも、グッドプラクティスの1つです。全体が固まらないと感じるのは、全体をいちどに固めようとしているときによく起きます。根本の原因としては、文量が多すぎるか、あるいは自分がよく理解していないか、あるいはその両方です。頭から固めていくというのは、分割統治法の1つのあり方です。 「時間がかかって、仕方がないときには、とにかく最後まで行って着地させる」というのもグッドプラクティスです。これは、頭から固めていこうとするときに、よく起きることで、長さが長いためにいつまでたっても最後にたどりつかないという状況です。そういうときには、品質を上げて書きたいことを全て書くというのをいったんやめて、とにかく着地することを優先するのです。もちろん、品質を落とすわけにはいきませんから、必然的に分量を落とすことになります。その上で着地させてから、ここに入れるべきものは何かを考え直すということです。そして多くの場合、着地してしまうと、分量的にもそれで充分だということがままあります。 ところで思うのですけれど、この話題は現在執筆している「数学文章作法執筆編」の1つのチャプターになる話ですね。 多くの場合、3つのグッドプラクティスは相互に矛盾します。時間を優先させることと、内容を優先させること。分量を優先させることと、品質を優先させること。いずれもトレードオフの関係にあって、相互に矛盾しかねない項目となります。 そこで気がつくのは、グッドプラクティスというのは「偏りを作ること」だということです。別の言い方をすれば、自分がぶつかっている壁を乗り越えるために、意識的に偏りの方向を変えるともいえます。 あれこれ迷っているときというのは、自分でその偏りを作ることができない状態でもあります。あるいは1つの偏りに固執してしまって、そこから抜け出せない状況ともいえます。そこで「グッドプラクティス」などの名目、建前によってそこを突き破るのです。 この話は、うまくまとめて数学文章作法に結びつけたいところですね。
ここしばらく送っていませんでしたが、また「メール日記」も再開したいと思っています。よろしければご登録ください(無料)。 ◆結城浩のメール日記 | Substack
今週の #結城メルマガ はまず、先週末に行った講演会の話題から始まります(無料で読めます)。それから「お風呂日記」に進化した「お風呂メモ」のことや、400回を迎えたWeb連載のこと、ノンアルコール飲料のことなど、さまざまな話題をオムニバスでお届けします。
:hyuki: メール日記のこと/文章を書く場所のこと 「結城浩のメール日記」を始めたのは、3年位前ですね。Substackを使って普段自分が考えていることをメールで送るという企画です。 ここ最近はあまり送ってなくて、前回は昨年の大晦日でした。さすがにもう少し頻度をあげたいなと思っています。 この企画に限らないんですけれど、私はいろんな文章を書く「場所」を欲しがる傾向があります。「入れもの」と呼ぶ場合もありますし、「枠組み」と考えるときもあります。 私は小さなウェブサイトを作るのが大好きなんですが、それもまた書くための「場所」を求めている1つかもしれませんね。 メールマガジンやウェブ連載はもちろん書くための場所の1つとなっています。自分で記事を連載する場所を作れるというのはとても楽しいですね。 昔は、紙の雑誌に連載を持って、それがまとまったら書籍化するという1つの流れがありました。今でも、もちろん、そういう流れはありますけど、紙の雑誌自体がかなり厳しい状況にありますので、文章を書く身としては、自分で「連載を書く場所」を作れるのは嬉しいことです。 それはお仕事ドリブンの話ですけれど、それに限らず、自分が継続的に何かを描く「場所」を求める気持ちはいつもありますね。それは、そういう枠組みがあることで、継続的に書きやすくなるという効果もあります。 自分の頭は、いつも何かしら考えを巡らせているのだけれど、それをゼロから形にするのではなくて、すでにある枠組みの中に落とし込む。そういう文章の書き方と言えるかもしれません。 そして、様々な話題や様々な方向性の考えが頭の中にあるときには、その入れもののほうも多種多様なものを用意しておきたくなります。 それは、自分の中に何か完成したものがあって、それを外に見せるというのとは少し違いますね。むしろ、枠組みの中に文章として落とし込んでいく作業そのものが楽しい活動なのじゃないかと思います。
本日Tシャツセール最終日です。結城浩の「とてもねむい」 スタンダードTシャツ #SUZURI
Twidere Xでマストドン使うと「編集」のことを考慮されてない振る舞いをするような気がする(ちゃんと確かめてないけど)