人生は旅であり旅は人生そのものであると書いたのは松尾芭蕉だけど、奥の細道を通して読んでみるとその短さには驚かされる。
実は松尾芭蕉は句を詠んだり句を残すことより実際の体験の方を重視していたんじゃないだろうかと思えるくらいに奥の細道は超短編だ。今なら数ページのいわゆる薄い本と呼ばれるような、いわゆる同人誌的なものだったのかも知れない。
そのように考えると松尾芭蕉にとっての奥の細道に記録された数々の句も、実は我々が旅に出たときに写真を撮って記念にしたり旅を記録するように、彼にとっては句が写真の代わりだったのかも知れない、と妄想して勝手に微笑むという娯楽に興じている。